皆様、拙記事「はじめてのGM」お読みくださってありがとうございます!
そんな中「お題をどうやって作ればいいか教えてほしい」というお声掛けをいただくことが何度かありました。
せんえつながらご要望に答え、あるある人狼においてお題をどう作っていくか、述べていきたく思います。
あくまでも筆者の考えであることを特に強くご理解いただけますと幸いです。
「GMとは何?」「GMって何をするの?」「GMになるには?」とお思いの方はこちら
さて、
面白いお題=議論が盛り上がるお題
であるということに疑問はなく、あなたもそういうお題を作ることを目的に、この記事をお読みであろうと思っております。
そんなあなたに、大変残念なことを最初に声を大にしてお伝えしなければなりません。
「このお題を出せば絶対に議論が盛り上がる」というお題は存在しません。
私が見る限り、議論が盛り上がる要素は以下のとおりです。
どちらもGMが重要なファクターとなるものではありません。
GMはあくまでも進行係。ゲームはプレイヤーに左右されます。
しかし、落ち込む必要はありません。
そのような中でも、議論を盛り上げるべく要素1・2をグレードアップさせることはできます。
以下、GMのあなたが議論を盛り上げる方法を述べていきます。
説明を進めるにおいて、以下を凡例とします。
お題…「GMになる」をタップすると出てくる全体のこと。
村人お題/人狼お題…プレイヤーの皆様の議論のネタ。
1 お題についての議論内容
参考質問をしっかりと考える
議論を盛り上げるためにGMとしてできること
●どうしてしっかりと考えるのは村人お題(人狼お題)ではなく参考質問なの?
理由1 ゲームを左右するのは質問だから
参考質問により議論をある程度コントロールできます。
プレイヤーは参考質問をゲーム開始前から見ることができることを利用し、対抗陣営のお題を予想することができます。
しかし、あなたの部屋に入ってくるプレイヤーはGMがいるお部屋をあえて選んで入室したプレイヤーが多いはずですから、ゲームに勝つべく戦略を練るために参考質問は事前に見るものと思っていい、と私は考えております。
また、あなたのお題作りが一定の信頼を置かれれば、プレイヤーが進んであなた渾身の参考質問を見て、あなたの意図をつかもうとしてくれます。
理由2 何を用いてもお題は作れるから
以下のように、同じ村人お題でも、参考質問次第で人狼お題は全く違うものを用意できます。
(例)サメ
- クジラ……質問例 どこにいそう?……答え 海
- オオカミ…質問例 何を食べる?………答え 肉(どちらも肉食動物)
- キノコ……質問例 どんなイメージ?…答え 高そう(「フカヒレ」と「トリュフ」)
村人お題・人狼お題の共通点がなくてもお部屋は作れるようです。
公式様渾身のランダムお題は、対抗お題をプレイヤーに予想されないように、実にさまざまなパターンのお題が用意されています。
実際、同じお題であっても、ここまで議論が違うものになります。
(例)村人お題「バラ」・人狼お題「パンジー」
実践
さあ、それでは、いよいよ実践。実際の手順は以下のとおりです。
- 質問Xを考える
- 質問Xの答えを考える
- 質問Xの答えが同じになるもの二つを挙げる
- 残りの質問二つを考える
- 3つの質問をどういう順番で並べるか考える
- どちらを村人お題にするか考える
初めてお題を作る場合はシンプルな方が作りやすいでしょう。
手順1 質問Xを考える
無数にある候補から議論のネタにできそうなものを絞り込む質問を、仮に「質問X」と呼んでおきます。
質問Xにおすすめしたい質問はいわゆる「オープン・クエスチョン」というもの。Yes・Noでは答えられない質問がいいでしょう。
- Who(だれが)…だれが似合う? だれが持っていそう?
- When(いつ)…季節はいつ? いつほしくなる?
- Where(どこで)…どこで見かける? どこにいそう?
- What(なにを)…なにを食べそう? なにでできている?
- How(どのように)…どのようにして見る? どのようにして使う?
- If(もしも)…もしもお題がなかったら?
質問Xにしない方がいい質問
「好き?」「経験ある?」「持っている?」「●●したい?」
- GMなし部屋の質問と同じであるから
…あなたの部屋でなければ、というオリジナリティがほしいところです。 - あえて参考質問にしなくてもプレイヤーが自ら問える質問だから
…参考質問により議論の新展開が切り開けるようにしたいものです。 - 「はい」「いいえ」しか答えが出ず議論が広がらないから
…初心者やトークが苦手な方でもゲームを楽しめるようにしたいものです。 - 好みやライフスタイルの違いによる吊りが起きるおそれがあるから
…これを理由に吊ること自体がいじめとなりかねません。その人が村人だった場合はさらにひどいプレイヤー間のトラブルを招きます。あなたの信用も損なわれます。
- フリーマッチでの知らない人同士のプレイでも話しやすくするため
- フレンドマッチではプレイの目的が「親睦を深める」ことにもあることより、プレイを通してプレイヤー同士の好みや行動などを理解できるようにするため
しかし、GMあり部屋においては、上記の問題はGMの進行で解決できます。
手順2 質問Xの答えを考える
この手順の中では以下のように決め、作っていきましょう。
手順3 質問Xの答えが同じになるもの二つを挙げる
ここで村人お題・人狼お題の候補を考えます。
3つ以上思いついてもかまいません。手順4以降で二つに絞り込んでいきます。
海で見かけるお題候補…サメ・クジラ
画像は
- 村人お題…サメ
- 人狼お題…クジラ
- 質問X「どこで見かける?」
での実際のプレイ画像。
実際のプレイですらそうですから、当然あなたの頭の中でも案は複数出てきます。
その中からどれを質問Xの答えとするかにより、この先で考える残りの質問の方向性が固まってくるものと思われます。
質問Xの答えがひねったものとなれば難易度の高いお題となるでしょう。ゲーム後、プレイヤーから「ああ!それか!」という声を引き出せるようになれば上級GMと言えると私は思います。
ただし、ひねりすぎればクレームのもととなりますし、あなたもお題が作りにくくなります。
あくまでも、多くの人が納得できるものの範囲内で質問Xの答えは用意しましょう。
手順4 残りの質問二つを考える
ここで、狼をあぶりだす質問を考えます。
両方とも村人お題・人狼お題で違う答えが出る質問を用意しても、片方は質問X同様に作ってもかまいません。
どちらにしても、質問の答えも考えておきます。
ここで村人お題・人狼お題も決めます。
海で見かけるお題候補…サメ・クジラ
- 他の質問「イメージは?」……答え 大きい、危険
- 他の質問「何を食べる?」……答え 肉、小さなもの
手順5 3つの質問をどういう順番で並べるか考える
プレイヤーは多くの場合質問1→2→3と使っていくようです。
(いきなり質問3を開けるプレイヤーもいますが、その場合質問1には触れないようです)
そのため、型としてはこうなるでしょう。
- 質問1…質問X
- 質問2…自由
- 質問3…人狼をあぶりだす質問
手順6 どちらを村人お題にするか考える
逆転あり部屋を意識して、どちらを村人お題にするかを考えるのも楽しい作業です。
村人お題・人狼お題を逆にするだけでも議論が全く違うものになります。
それでも、やはり「より面白いのはこっちを村人お題にした方だ」というものは感覚としてあるようです。
シンプルで、村人同士が仲間を認識しやすく、かつ人狼側が逆転で当てにくいお題を安定して用意することができるようになった暁には――つまり、逆転に失敗した人狼側を毎回くやしがらせることができるようになった際には――是非そのお題作りの技を私にも教えていただきたいものです。
読み仮名を振っておきましょう。
少々意味のわかりにくい言葉をお題にする際には、GM側でお題に簡単に言葉の意味を書いておきます。
2 お題が出されるタイミング
部屋立てのタイミングを意識する
お題を出すタイミング次第では、思いもよらない話題がプレイヤーから飛び出し、議論が盛り上がります。
- 季節
- ニュース等社会のネタ
- ゲーム前のプレイヤー同士の雑談
- 部屋立ての時間帯(平日・土日祝、昼間・夜)
特に未成年の方の場合ネットを通した犯罪の種となりかねませんので、あまりにも目に余る場合はGMのあなたから「年齢は明かさない方がいい」と注意をお願いします(特に20:00以降)。
もっとも、プレイヤーが明かす年齢・居住地が嘘である可能性もありますので、プレイヤーの言葉をよく見ておく必要があります。
以下は雑談の内容が議論に生きたケース。こういうケースもあることより、私はゲーム前の雑談を推奨しています。
あなたから雑談を振ってもかまいません。雑談の内容がお題に関係のあるものでも、ないものでも楽しいものです。あなたとしては関係ないつもりで話を振っても、お題に関係づいていくこともあります。
(例)
画像はゲーム前のプレイヤー同士の雑談の一部。「お菊さん」という怪談の話と、ジャガイモの話をしたと記憶しています。
ゲーム内議論中。
先の雑談内容より、食べられるかどうかという話が自然に議論内に組み込まれたように思われます。
このように、 あくまでもゲームはプレイヤーに左右されます。
質問1によってあっさり人狼がわかってしまうこともあれば、質問3まで使っても人狼がわからないままなこともあります。
あなたが一生懸命作った質問を、プレイヤーが全く使わないで議論をすることもあります。
村人お題・人狼お題・参考質問が全く同じでも、以下のように全く違う議論が生まれます。
(例)
最後に。
前回記事「はじめてのGM」でも述べているとおり、ゲームは来てくださるプレイヤーこそが重要です。
「GMなし部屋」もありますとおり、GMがいなくてもゲームはできます。
それでも、GMになったあなたのお部屋にプレイヤーが来てくださいます。
来てくださるということ、自分が用意したお部屋で遊んでくださること、さらには喜んでくださるということに、自然と感謝の気持ちが湧いてきませんか。
いいゲームはプレイヤーのおかげ、失敗はGMのせい。
GMはゲームを仕切り取り締まるからこそ、自分の立場はプレイヤーにより支えられていると決して忘れてはならないということさえ忘れなければ、いいお題はおのずとできてきます。
謝辞
突然申し出た記事執筆のお願いを快く受け入れてくださった運営Ryo様
校正・HTML化を引き受けてくださったしゃや様
画像撮影にご協力くださったシカ様・るていん様・ユッキー様・おほむ様・きゃら@伽羅様・酢でいいです様・ななちゃん♪様・くらりっさ様・まろ様・お嬢様ですわぁ様
寝不足様・帝夜様・まろ様・D6C9DA様・桜レモン様・RW_りゅうのすけですわぁ様・シオン様・マスヲ様・ゆり(小4)様・ゆず様・蕨
warabi様・男爵犬様・99ACE0様・りあ様
いつも私のお題で遊んでくださる常連の皆様
部屋に入ってくださるすべてのプレイヤーの皆様
そして、長いばかりの拙い記事を読んでくださったあなたに
心より感謝申し上げます。